妄想(もうそう)
妄想とは、明らかな事実や周囲からの説明によっても修正されない誤った確信を指します。実際には根拠がないにもかかわらず、「監視されている」「誰かに狙われている」「悪口を言われている」などと強く信じ込む状態であり、統合失調症や気分障害、認知症などでみられることがあります。妄想の内容は被害妄想、関係妄想、誇大妄想、嫉妬妄想などさまざまです。
在宅医療の観点では、妄想によって服薬拒否やサービス利用拒否、人間関係のトラブルなどが生じることがあり、生活や療養の継続に大きな影響を与える場合があります。訪問看護師や医師は、妄想の内容や程度、安全面への影響を評価しながら支援を行います。妄想を頭ごなしに否定するのではなく、本人の不安や苦痛に寄り添いながら信頼関係を構築し、必要に応じて薬物療法や精神科医療につなげます。妄想への支援では、症状の理解と継続的な観察、多職種による連携が重要です。